情報法ゼミ


このページは、大学院現代社会文化研究科の鈴木情報法研究室及び法学部情報法ゼミの活動紹介、及び本研究室(代表:鈴木正朝)が受託した「共同研究」のメンバーの紹介を目的としています。(2024年4月現在)
私の管理する研究予算の全部または一部は、私の研究のほか、下記の研究者メンバー、及び、院生との「共同研究」、ゼミ生の「教育」目的で支出します。(学内予算は学内規則に従い会計係の管理下で支出し、外部から頂いた予算に別途制限があればそれに従います。)

研究室 [新潟大学 大学院現代社会文化研究科・Alumni・法学部ゼミ]

教授

鈴木 正朝 博士(情報学)、修士(法学)
(一般財団法人情報法制研究所(JILIS)理事長、一般社団法人次世代基盤政策研究所(NFI)理事)

研究者メンバー(Alumni)

Saiful Bakri Abdul Aziz 博士(法学)新潟大学、修士(法学)新潟大学、University of East Anglia School of Law, United Kingdom
(マレーシア弁護士、JILIS上席研究員)

岡本 正 博士(法学)新潟大学、学士(法学)慶応義塾大学
(弁護士、慶應義塾大学法学部非常勤講師他、JILIS上席研究員、NFI上席研究員)

加藤 尚徳 修士(情報学)総合研究大学院大学、学士(法学)新潟大学
(神奈川大学非常勤講師他、NFI理事・事務局長、JILIS上席研究員、理研AIP客員研究員)

金 永(KIM Young) 修士(法学) 新潟大学、学士(法学)新潟大学 、法学士・日本学士(ソウルデジタル大学
(新潟大学大学院博士後期課程満期退学)

長谷川 幸一 修士(法学)新潟大学、学士(法学)神奈川大学
(自治体職員)

森 京子 修士(法学)一橋大学、学士(法学)新潟大学
(一橋大学大学院)

山本 将之 法務博士(専門職)筑波大学、学士(法学)新潟大学

大学院現代社会文化研究科

(2024年4月現在)

博士後期課程 共生社会研究専攻(特定研究 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、総合演習、情報化社会制御研究)


 山本 一郎 修士(法学)新潟大学、学士(法学)慶応義塾大学
(JILIS事務局次長・上席研究員、NFI研究主監)

博士前期課程 法政社会専攻(課題研究 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、総合演習、情報法特論・演習)

 
 在籍者なし(4年後に定年退職のため、博士後期進学希望者の募集はしておりません。前期のみになります。)
 

○「課題研究」及び「総合演習」の内容

「課題研究Ⅰ」 (1年1学期)は、修士論文作成のための技法・作法等の基本修得科目です。下記1〜6の学位論文の審査基準に従い、論文作成の方法についてディスカッションしながら確認していきます。
「課題研究Ⅱ」(1年2学期)及び「課題研究Ⅲ」(2年1学期)は 主指導教員(鈴木)による修士論文作成のための個別指導になります。上述の論文作成の方法にそってテーマ、目次、論文の内容をみていきます。
「総合演習」(2年1学期 or2学期)では、 各自の研究内容を発表し、主査、副査(2名)、学務委員長、その他の法政社会専攻の教員や学生との質疑応答を行うことにより、専門領域を超えた融合的な幅広い思考能力を涵養し、修士論文のブラッシュアップを行います。
本研究室では、法学・新領域法学の「情報・メディア法」分野(法解釈学・立法政策学)を研究領域とし、修士(法学)の学位の取得を目指します。

論文執筆の留意点

1. 研究テーマの確定
*解決したいテーマ、実現したいゴールを示す。

2.社会的問題の認識(問題意識)と解決の必要性
① 社会的な問題であることを示す。
② 社会的にその解決が必要であることを述べる。

3.課題設定
*問題解決に向けた課題を洗い出す。

4. 課題解決
(1)解釈論(課題解決に向けての法解釈)
① 課題または問題の所在
② 事実関係の整理
③ 関連法令・適用条文の洗い出し
④ 論点整理(先行研究調査と分析)
  ・判例
  ・学説
⑤ 自説の展開(法解釈)
⑥ 判例・他説との違い等(評価)
⑦ 結論(課題解決の評価)と残された課題(法解釈の限界)
(2)立法論(課題解決に向けての立法政策)
① 立法的課題
② 政策的視点からの分析
③ 解決策(提言)

6.結論
 テーマ(Question)に対する結論(Answer)をとりまとめる。

→ 論文構成:目次案を作成する。 

論文の評価視点

1.研究テーマの内容、射程及び課題設定の明確性及び適切性
□ テーマとその問題解決に社会的な意義があるか?
□ テーマの大きさ感(内容と射程)は適切か?
□ テーマに応じた適切な課題設定がなされているか?
□ 課題解決にパッションがあるか?

2.研究方法の適切性
□ 研究テーマに即した研究方法か?
□ その研究方法に従って、必要な文献、資料、データなどを的確に収集・整理・分析しているか?
* 先行研究の調査と分析スキル
*先行文献調査(リーガルリサーチと参考文献リスト)
*文献・資料の収集
*整理(ファイリング、PCのフォルダ管理)
*読み込み(メモ)
*論文構成(詳細目次)

3.論文形式の適切性
□ 文献の引用,文章表現等が適切になされ,学術論文としての体裁が整っているか?
*学術論文のための著作権法(引用の要件、剽窃問題)、citation

〇 邦文の法律文献等の表示
特定非営利活動法人 法教育支援センター 法律編集者懇話会
法律文献等の出典の表示方法』 [2014年版]
https://www.houkyouikushien.or.jp/katsudo/pdf/houritubunken2014a.pdf

〇 英文の法律文献の表示
The Bluebook: A Uniform System of Citation, 21st edition(2020/9/1)

4.研究の独自性
□ 既存の研究には見られない独創的分析または解釈、提言等が行われているか?

5.論述の明確性及び論旨の一貫性
□ テーマ(大きなQ)と結論(大きなA)が呼応しているか?
□ 章、節、項等の包含関係、並列関係など平仄が整い、かつそれぞれの見出しが適切か?
□ 章、節、項等の単位における小さなQと小さなAを確認し、それの理由付けが十分か。文献等の証拠に基づき裏付けられているか?
□ 論証の流れが明確かつ論理的であるか。テーマ(大きなQ)から結論(大きなA)に至る論証としての、小さなQとAと理由付けのユニットの配列が的確か?
□ 表現がエレガントで、かつインパクトがあり、社会や人々に訴えかける説得性があるか?

6. 建設的な提言
□ 社会に問題解決の出口を示し、社会に希望をもたらし、人間の幸福に資するか?

7. その他
□ 学術論文として、チャレンジング(意欲的)で、エキサイティングで、エンターテイメント性があるか。要するにおもしろいか?

(参考文献)
・近江幸治『学術論文の作法—論文の構成・文章の書き方・研究倫理—』(成文堂、第3版、2022)
・宮田昇『学術論文のための著作権Q&A 著作権法に則った「論文作法」』(東海大学出版会、新訂2版、2008)
・ウンベルト・エコー『論文作法 調査・研究・執筆の技術と手順』(而立出版、1991)

法学部 情報法ゼミ(25名)

2023年度ゼミ卒業生 Junior Research Paper(卒論)テーマ一覧


01.「改正個⼈情報保護法における災害時要援護者情報の収集と共有について」
02.「避難⾏動要⽀援者名簿の適切な提供⽅法について」
03.「各国におけるCookie 規制の現状と今後の⽇本の在り⽅」
04.「位置情報の取扱いの法的規制の在り⽅と同意基準」
05.「こどもに関する各種データの連携による⽀援実証事業についての検討」
06.「教育データの取り扱いと個⼈情報保護法」
07.「犯罪と実名報道−被疑者とその家族のプライバシー保護に向けて−」
08.「給付付き税額控除制度導⼊についての検討」
09.「能動的サイバー防御実装についての検討」
10.「医療データの⼆次利⽤規制に関する⼀考察」
11.「諸外国のAI 規制の現状と今後の⽇本の在り⽅について」
12.「AI による犯罪予測システムに個⼈情報を⽤いることの是⾮」
13.「ChatGPT の個⼈情報保護法上の論点に対する検討」
14.「⽂章⽣成AI の開発・利活⽤における法的課題の検討〜個⼈情報保護法の観点から〜」

「卒業研究」+「JRP」:4年(11名)

○名簿(イニシャル)L21A

B4: R.O(F)
B4: A.H(F)
B4: K.A(M)
B4: K.S(M)
B4: K.T(M)
B4: H.W(M)
B4: Y.I(M)
B4: T.T(M)
B4: I.S(M)
B4: T.K(M)
B4: Z.X(M)
*他2名(留年)

○「卒業研究」の内容

*情報法研究(個人情報保護法制)
日本の個人情報保護法制の歴史を再確認し、GDPR(EU法)及びCCPA(米国法)と比較しつつ、現行個人情報保護法(2020年改正法)及び行政機関個人情報保護法の解釈を個人情報保護委員会のガイドラインを題材にその問題点を踏まえながら学習し、公民一元化(2000個問題解消)の課題、及び3年ごと見直し条項下での今後の改正案のあり方(法目的、憲法との関係、中核的な権利義務規定、散在情報と処理情報、デジタルデータとアナログ情報等)について検討する。

*Junior Research Paper(JRP) の執筆と報告
(1)論文の書き方
(2)先行文献調査と文献検索の方法
(3)目次案の作成と文献コピー及びデータの整理
(4)学術論文と著作権法(引用と剽窃問題)、citationの方法
(5)プレゼンテーションの方法
(6)JRPのスケジュールとJRPの主題の仮決定、調査と読込(7〜9月)
(7)JRPの進捗報告(10〜12月)とゼミ最終報告(12月)、JRP発表会(1月)


「法政演習」:3年(10名)

○名簿(イニシャル)L22A


B3: S.Y(F)
B3: H.T(F)
B3: T.A(M)
B3: Z.S(M)
B3: N.M(F)
B3: H.N(F)
B3: I.S(M)
B3: S.S(M)
B3: R.K(M)
B3: K.S(M)
*他1名(休学)

○「法政演習」の内容

*憲法、行政法(総論、行政救済法)、民法(総則、物権、債権総論・各論、不法行為)、刑法を履修すること。また、民事訴訟法、刑事訴訟法、その他 行政組織法、英米法、EU法を履修または勉強しておくことが望ましい。

(1)ウォーレン・ブランダイス「プライヴァシーの権利」(The Right to Privacy)を対訳で購読します。
分担を決めて、①時代背景(19世紀後半の米国史:金ピカ時代、人口論、技術史、メディア史等)、②著者の生い立ち、③本文の要約を行い、論文構成について報告する。
その後、米国の「独立宣言」(イェリネック『人権宣言論』)や米国不法行為法の概要、自然法及びコモンローの概要、ロック『市民政府二論』その他指定論文を読んで、Propertyの一般用法と特別用法等を踏まえて上記論文を読解し、米国のプライバシーの権利の生成について検討します。

(2)プロッサー『不法行為法(TORTS)』(第20章 プライバシー)とダニエル.J ソロブ『プライバシーなんていらない!?』をテキストに、同『プライバシーの新理論』等も参考にしながら、米国のプライバシーの権利のその後の展開について学習します。

(3)指定論文をテキストに不法行為法を復習し、「宴のあと」事件、「石に泳ぐ魚」事件、ノンフィクション「逆転」事件、早稲田大学江沢民名簿提出事件等の指定判例の評釈を分担で報告します。
その後、日本のプライバシーの権利(自己情報コントロール権、情報自己決定権等)について検討する。

(4)日本の個人情報保護法制の歴史を確認し、現行個人情報保護法(2020年改正法)及び行政機関個人情報保護法の解釈を個人情報保護委員会のガイドライン及び配布レジュメを題材に学習します。 その他、番号法、次世代医療基盤法、情報公開法の概要を学習します。

(5)後半は、4年との合同ゼミとし、4年のJRPの報告を聴いて質疑に参加します。

*テキストは、ダニエル.J ソロブ『プライバシーなんていらない!?』(勁草書房)。その他は適宜、参考文献を指定する。
引用等について

 ゼミ内の課題レポートであっても、著作権法上の引用のルールに従ってください。引用のルールに則らない場合は、剽窃となります。次のサイトが参考になります。

●引用については、下記サイトが参考になります。
千葉大学附属図書館
「文献を引用する」
https://alc.chiba-u.jp/eyr/2020/03/16/03quote


「情報法ゼミ(法政演習・卒業研究)」の年間行事等

 

ゼミイベント
4月
ガイダンス(自己紹介、報告の分担)
歓迎コンパ
5月
情報法制研究所 JILISシンポジウム聴講
6月
[公務員試験]
7月
卒業アルバム撮影
8月
オープンキャンパス 模擬ゼミ(情報法)
9月
東京工業大学・横浜国立大学・新潟大学・静岡大学 四大学合同ゼミ合宿(希望者のみ)
[大学院入試]
10月
JRPテーマ決定(4年)
11月
来年度新3年生向けゼミ見学
情報法制学会 聴講
情報ネットワーク法学会 聴講及び学会報告
情報処理学会EIP 聴講・学会報告
12月
法とコンピュータ学会 聴講
JRPゼミ締切
1月
JRP提出
2月
JRP報告会
卒業コンパ
[大学院入試]


ゼミ生の留学(例)

・University of Alberta (カナダ)1年間
・University of Bristol (英国) 1年間
・北京大学(中国)サマースクール 他


ゼミ生の進路(例)

[大学院進学]:新潟大学(2名)、一橋大学(2名)、総合研究大学院大学、東京工業大学

[研究職]:神奈川大学 経営学部 非常勤講師、放送大学ほか

[法科大学院進学]:東北大学、筑波大学、横浜国立大学、早稲田大学、法政大学

[法曹]:弁護士(74期・76期)

[落語家]:立川流(二つ目)

[報道]:日本放送協会(NHK)(2名)、読売新聞 記者、日本経済新聞 記者

[シンクタンク・監査法人]:KDDI総合研究所(3名)、アクセンチュア(2名)、KPMGコンサルティング、NTTドコモ モバイル社会研究所、監査法人トーマツ

[国家公務員(総合職・一般職)]:厚生労働省(総合職・一般職)、裁判所事務官(総合職)、総務省(一般職)、農林水産省(一般職)、財務専門官、国税専門官、入国管理官ほか

[都道府県庁職員(上級職・Ⅰ種)]:新潟県(6名以上)、福島県(3名)、岩手県(2名)、神奈川県、千葉県、石川県、富山県、静岡県、群馬県、山形県ほか多数

[政令市職員・市町村職員(上級職)]:新潟市(4名以上)、長岡市(4名)、三条市、函館市(北海道)、須賀川市(福島県)、渋川市(群馬県)、北上市(岩手県)ほか多数

[警察官]:新潟県警(3名以上)、富山県警 (2名)、警視庁ほか

[国立大学法人職員]:新潟大学、長岡技術科学大学

[特殊法人・特殊会社]:日本中央競馬会(総合職)、東日本高速道路(NEXCO東日本)

[電力・運輸]:東京電力、東北電力、JR西日本

[金 融]:三菱UFJ銀行、第四銀行(3名以上)、北陸銀行、秋田銀行ほか

[IT等]:ソニー、NEC、LINEヤフー、楽天、ニフティ、LAC、日立ソリューションズ、エクサ、明治安田システム・テクノロジーほか

[その他]: 東京エネシス、東日本興業、北陸ガス、H.I.S、新潟グランドホテル、中央出版社、テレビ岩手、グローブライト、コロナ、ユニオンツール、アークランド・サカモト、アイコミュニケーションほか